2019年11月30日土曜日

行政書士試験「法人、権利能力なき社団等」(2017-27)【条文知識問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

ア) 誤り。「Bの代表としてではなく、Bの構成員全員の代理人として当該法律行為を行う」のはむしろ組合の方であろう。組合は団体の名で契約できず「それを構成員全員の名でしなければならない」からである。山田-河内-安永-松久『民法Ⅰ』第3版補訂(2007年、有斐閣)58頁。一般社団法人の理事につき、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律77条1項本文参照。

【改正点】なし。

イ) 正しい。最判昭和48年10月9日である。

【改正点】なし。

ウ) 誤り。各組合員は組合財産に対し持分を有するが、組合財産に属する権利は組合事業のための財産であるが故、「組合員は、清算前に組合財産の分割を求めることができない」(民法676条2項)。

【改正点】旧676条2項は新676条3項となった。

エ) 誤り。業務執行組合員は、特約のない限り報酬を得ることはできない(671条、648条1項)。

【改正点】なし。

オ) 正しい。最判昭和38年5月31日である。藤岡-磯村-浦河-松本『民法Ⅳ』第3版補訂(2009年、有斐閣)200頁。

【改正点】なし。

2019年11月25日月曜日

行政書士試験「使用貸借、賃貸借」(2018-32)【条文知識問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

ア) 両者に当てはまる。民法594条1項、616条。

【改正点】なし。

イ) 使用貸借にのみ当てはまる。使用貸借において通常の修繕費は借主負担である(595条1項)。逆に賃貸借では貸主人の負担となる(606条1項)。

【改正点】通常の修繕が賃借人の責めに帰すべき事由により発生した場合、賃貸人は修繕義務を免れる旨の規定が設けられた(606条1項但書)。

ウ) 両者に当てはまらない。使用貸借、賃貸借共に「借主は、目的物を返還するときに、これに附属させた物を収去」し得る(598条616条)。

【改正点】旧598条が旧616条によって引用されていたが、改正後は旧598条が新599条となり、新622条により引用されこととなった。

エ) 使用貸借にのみ当てはまる。599条

【改正点】旧599条は、新597条3項となった。

オ) 両者に当てはまる。600条621条

【改正点】旧600条が旧621条によって引用されていたが、改正後は旧600条が新600条1項となり(2項新設のため)、新622条により引用されこととなった。

2019年11月22日金曜日

行政書士試験「弁済」(2018-31)【判例問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

1) 誤り。よってこれが正解である。民法488条の場合と異なり、「元本のほか利息および費用を支払うべき場合」は491条1項が優先する結果、費用、利息、元本の順に充当することになる。債務者により充当の順序を変更できるわけではない。野村-栗田-池田-永田『民法Ⅲ』第2版補訂(1999年、有斐閣)233頁。

【改正点】旧491条1項→新489条1項。

2) 正しい。488条1、2項。

【改正点】なし。

3) 正しい。最判昭和39年11月26日。二重譲渡の危険性を避けるためである。前掲野村他236頁。なお「給付に代えて」(482条)という文言に注意。

【改正点】新482条には「債務を消滅させる旨の契約をした場合」という文言が加えられたが、これは代物弁済が諾成契約であることを示すためである。代物弁済契約は当事者間の意思表示で成立するが、債務消滅の効果を生じさせるためには、上記昭和39年判例の言うように対抗要件の具備が必要ということになろう。大村敦志・道垣内弘人編『解説民法(債権法)改正のポイント』(2017年、有斐閣)19頁(加毛明執筆)。

4) 正しい。債権者が弁済の受領を拒む場合、弁済に必要な準備(「すぐに弁済できる状態」があればよい)をしたうえで口頭の提供をすれば債務不履行責任を免れるが(493条但書)、本肢のように債権者が契約そのものの存在を否定しているような場合、口頭の提供ですら不要とするのが判例である。前掲野村他219-220頁。

【改正点】なし。

5) 正しい。大判大正10年4月30日。なお多数説は、債権者が受領拒絶している以上、弁済の提供を経ずにただちに供託(494条)し得ると解している。前掲野村他239頁。

【改正点】新494条1項は、これまでの判例に従った文言の整理を行った。前掲大村他編338頁。

2019年11月20日水曜日

行政書士試験「公序良俗違反等」(2018-27)【判例問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

公序良俗違反(民法90条)の条文が、「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効と
する」と改められた。旧90条(公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする)における「事項を目的とする」という部分が削除された。

これは、公序良俗違反の判断が、法律行為の内容ばかりでなく法律行為が行われたプロセス等の事情も考慮に入れるべき旨、を示すためとされている。大村敦志・道垣内弘人編『解説民法(債権法)改正のポイント』(2017年、有斐閣)19頁(角田美穂子執筆)。 oogle = window.adsbygoogle || []).push({});

丸山眞男「日本の思想」

   「思想が対決と蓄積の上に歴史的に構造化され」ず、ある論争が「共有財産となって、次の時代に受け継がれて」ゆかないという伝統が、日本の論争史にはある。論争において、「これだけの問題は解明もしくは整理され」何がそうでないか「けじめがいっこうにはっきりしないままたち消えになってゆく...