2019年12月25日水曜日

行政書士試験「連帯債務」(2017-32)【条文知識問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

1) 正しい。民法433条

【改正点】旧433条→新437条。なお問題文中「Aが要素の錯誤に陥っており、錯誤に基づく無効を主張」を、「Aが法律行為の目的及び社会通念に照らして重要な部分について錯誤に陥っており、錯誤に基づく取消を主張」に修正する(95条1項参照)。

2) 正しい。435条。更改は絶対的効力事由である。

【改正点】旧435条→新438条

3) 誤り。これが正解である。Aによる「弁済の猶予」は、債務者が債権者に対し債権の存在を認めるという、時効中断事由の1つである「承認」(147条3号)に該当する。山田-河内-安永-松久『民法Ⅰ』第3版補訂(2007年、有斐閣)241頁。そして434条から439条の場合を除き、「連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない」(440条)のであり、Aが自己の債務を承認してもそれはBに影響を及ぼすものではなく、弁済期到来後より起算し時効期間が完成すれば、Bは時効を援用できる。なお時効中断事由のうち(この場合Cからの)「請求」(147条1号)は絶対的効力事由である(434条)。野村-栗田-池田-永田『民法Ⅲ』第2版補訂(1999年、有斐閣)136-137頁。

【改正点】①時効制度に改正があったため、②および連帯債務の債権者から債務者一人への「請求」は、旧法は絶対的効力を有していたが(旧434条)、新法では「相対的事由」しか有しないこととされたため(新441条本文)、次のように文章を改める。

これが正解である。Aによる「弁済の猶予」は、債務者が債権者に対し債権の存在を認めるという、時効更新事由の1つである「承認」(152条1項)に該当する。山田-河内-安永-松久『民法Ⅰ』第3版補訂(2007年、有斐閣)241頁。そして438条、439条1項、440条の場合を除き、「連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない」(441条本文)のであり、Aが自己の債務を承認してもそれはBに影響を及ぼすものではなく、弁済期到来後より起算し時効期間が完成すれば、Bは時効を援用できる。野村-栗田-池田-永田『民法Ⅲ』第2版補訂(1999年、有斐閣)136-137頁。

4) 正しい。443条1項前段。

【改正点】なし。

5) 正しい。443条2項。

【改正点】なし。

2019年12月14日土曜日

行政書士試験「条件、期限」(2018-28)【判例問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

ア) 正しい。民法127条3項。

【改正点】なし。

イ) 誤り。買主が「品質良好と認めた場合には代金を支払うとする旨の条項」は、134条にいう「単に債務者の意思のみに係る」条件(随意条件)に該当しないというのが判例(最判昭和31年4月6日)である。

【改正点】なし。

ウ) 誤り。条件成就により「利益」を受ける当事者が故意に「条件を成就させた」場合、相手方は条件が成就していないものとみなし得る(130条類推適用というのが判例である〔最判平成6年5月31日〕)。事案としてはCがAの取引先関係者でありAの指示で禁止行為を行ったというものであった。

【改正点】旧130条は、①条件成就により「不利益」を受ける当事者が故意に条件成就を「妨げた」場合、反対の当事者は条件成就とみなし得る旨の規定であった。旧法下では、②条件成就により「利益」を受ける当事者が故意に「条件を成就させた」場合について規定がなかったため、判例は旧130条を類推適用してウ)の事案を解決したが、新法では②につき立法化を図った新130条2項)。なお旧130条(①)については、新130条1項となった。

エ) 正しい。本肢の条項の内容は、停止条件にあたらず「当該許可を得ることを故意に妨げたときであっても」条件成就の擬制(130条)ははたらかないというのが判例(最判昭和36年5月26日)である。当該条項の内容はそもそも法律上必要な要件を約定したものに過ぎないからである。

【改正点】旧130条→新130条1項。

オ) 誤り。判例はこの条項を「不確定期限」と解する(大審院大正4年3月24日)。つまり「出世しなかったからといって払わなくてよいものではなく、出世といえる時期まで猶予する」ということになる。山田-河内-安永-松久『民法Ⅰ』第3版補訂(2007年、有斐閣)153頁。

【改正点】なし。

2019年12月8日日曜日

行政書士試験「錯誤」(2017-28)【判例問題】

解説文自体に修正箇所はないものの、問題の元になっている錯誤が大幅に改正されたため、その点説明する。なお問題文についても修正事項がある。

新法での錯誤について
【錯誤成立要件と効果】
錯誤(新95条)は旧法に比べ大幅に改正された。新法では、新95条1項1号か2号に基づく錯誤であって、当該錯誤が「法律行為の目的」及び「取引上の社会通念」に照らし「重要」なものである場合、取消し得るものとなった(新95条1項)。
旧法においては「法律行為の要素」に錯誤がある場合、これを無効としていたが(肢2、4、5参照)、今後は上記括弧三要件をもとに錯誤が成立するかを判定することとなる(法律行為の要素、が具体化された)。また錯誤の効果は無効から取消に改正された。

【争点の整理-動機の錯誤-】
新法95条1項2号は「動機の錯誤」についての定めであるが、古くから争われてきたこの錯誤類型を今回立法化するに至った。但しこの錯誤については、動機の「表示」(新法95条2項)が必要となる(表示は黙示でも良い〔肢5判例参照〕)。

【錯誤成立と相手方の事情】
旧法下では、錯誤成立に付き「相手方の事情」を考慮すべきか否か規定がなかったものの、新法では新たな規定が設けられた(新法95条3項)。

【第三者保護規定の新設】
旧法下では甲乙間の売買契約が錯誤で無効になった場合、乙からの転得者丙を保護する規定がなかったが、新法では錯誤取消しから第三者を保護する規定が新設された(新法95条4項)。

以上に付き、大村敦志・道垣内弘人編『解説民法(債権法)改正のポイント』(2017年、有斐閣)20ー25頁(角田美穂子執筆)

問題文の修正

1) 削除とする。錯誤が無効から取消になった結果、1)の元になった昭和45年判例が意味をなさなくなると思われるからである。つまり、新法の下では「表意者自身が錯誤を認めており、表意者に対する債権を保全する必要がある場合、表意者の債権者は」、表意者の錯誤取消しを代位行使(423条1項)すれば良いからである。

2) 「保証人の錯誤は要素の錯誤に当たる」。保証人の錯誤は法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであると言える、に修正する。肢の正誤に変更はない。

3) 「身分行為は錯誤に基づく無効の対象とならず」。身分行為は錯誤に基づく取消の対象とならず、に修正する。肢の正解に変更はない。

4) 「連帯保証人の錯誤は要素の錯誤に当たらない」。連帯保証人の錯誤は法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであると言えない、に修正する。肢の正誤に変更はない。

5) 「要素の錯誤が認められる」。法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものについて錯誤が認められる、に修正する。肢の正誤に変更はない。

幸徳秋水『帝国主義』2

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