2019年12月14日土曜日

行政書士試験「条件、期限」(2018-28)【判例問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

ア) 正しい。民法127条3項。

【改正点】なし。

イ) 誤り。買主が「品質良好と認めた場合には代金を支払うとする旨の条項」は、134条にいう「単に債務者の意思のみに係る」条件(随意条件)に該当しないというのが判例(最判昭和31年4月6日)である。

【改正点】なし。

ウ) 誤り。条件成就により「利益」を受ける当事者が故意に「条件を成就させた」場合、相手方は条件が成就していないものとみなし得る(130条類推適用というのが判例である〔最判平成6年5月31日〕)。事案としてはCがAの取引先関係者でありAの指示で禁止行為を行ったというものであった。

【改正点】旧130条は、①条件成就により「不利益」を受ける当事者が故意に条件成就を「妨げた」場合、反対の当事者は条件成就とみなし得る旨の規定であった。旧法下では、②条件成就により「利益」を受ける当事者が故意に「条件を成就させた」場合について規定がなかったため、判例は旧130条を類推適用してウ)の事案を解決したが、新法では②につき立法化を図った新130条2項)。なお旧130条(①)については、新130条1項となった。

エ) 正しい。本肢の条項の内容は、停止条件にあたらず「当該許可を得ることを故意に妨げたときであっても」条件成就の擬制(130条)ははたらかないというのが判例(最判昭和36年5月26日)である。当該条項の内容はそもそも法律上必要な要件を約定したものに過ぎないからである。

【改正点】旧130条→新130条1項。

オ) 誤り。判例はこの条項を「不確定期限」と解する(大審院大正4年3月24日)。つまり「出世しなかったからといって払わなくてよいものではなく、出世といえる時期まで猶予する」ということになる。山田-河内-安永-松久『民法Ⅰ』第3版補訂(2007年、有斐閣)153頁。

【改正点】なし。

原田尚彦「裁量権収縮論」

 「一 法治行政と行政便宜主義」  行政庁は、公共の安全と秩序を保持する責任を負い、「そのために国民の権利自由に規制を加える権限を有している」。そしてこの権限は、「行政法規の授権するところに従い、法規にそって行使しなければならない」( 法治行政の原則 )。但し、授権がある場合でも...