2020年2月9日日曜日

行政書士試験「債務不履行」(2016-33)【判例問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

1) 正しい。412条2項。

【改正点】改正に伴い誤りとなる。新412条2項は、「債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した後に履行の請求を受けた時又はその期限の到来したことを知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う」となったためである。

2) 正しい。債務不履行成立のための「帰責事由」は、債務者が立証する。前掲野村他45-46頁。

【改正点】なし。

3) 誤り。よってこれが正解である。本肢のように解する説もあるが、この場合過失の有無にかかわらず賃借人は賃貸人に損害賠償責任を負うとするのが判例である(大判昭和4年6月19日)。

【改正点】なし。

4) 正しい。658条2項、105条1項。

【改正点】改正に伴い誤りとなる。新法の下でも「受寄者が寄託者の承諾を得て寄託物を第三者に保管」させることは可能である(新658条2項。やむを得ない事由がある場合も可〔改正により追加〕)。問題は当該第三者の過失により寄託物が損傷した場合だが、この場合は履行補助者の過失についての原則に従い処理される。旧658条2項は旧105条(新104条)を準用し上の「場合」を処理していたが、この準用規定は削除されたためである。大村敦志・道垣内弘人編『解説民法(債権法)改正のポイント』(2017年、有斐閣)452ー453頁(石川博康執筆)

5) 最判昭和37年11月16日。前掲野村他75頁。なお富喜丸事件判決(大連判大正15年5月22日)参照。

【改正点】なし。

原田尚彦「裁量権収縮論」

 「一 法治行政と行政便宜主義」  行政庁は、公共の安全と秩序を保持する責任を負い、「そのために国民の権利自由に規制を加える権限を有している」。そしてこの権限は、「行政法規の授権するところに従い、法規にそって行使しなければならない」( 法治行政の原則 )。但し、授権がある場合でも...