2020年8月23日日曜日

行政書士試験「代理人と使者」(2012-28)【条文知識、理論問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

1) 誤り。代理人としての地位は委任契約ばかりでなく、請負や雇用によっても発生する。前掲山田他164-165頁。

【改正点】なし。

2) 誤り。頻出の肢である。代理人に行為能力は不要である(102条)。使者についての説明は正しい。前掲山田他161頁。

【改正点】旧102条の内容は、新法では102条本文に規定されている。

3) 正しい。101条参照。前掲山田他161頁。

【改正点】なし。

4) 誤り。代理人による権限逸脱の場合、表見代理の成立(110条)や本人の追認(116条)により代理行為が有効になる場合もある。一方使者が本人の完了した意思表示と異なる意思表示を相手方に伝えた場合は、本人の錯誤(95条)と処理されるので、この場合意思表示が無効となる余地がないというのは誤りである(95条但書参照)。前掲山田他161頁。

【改正点】錯誤に基づく法律行為の効果は「無効」から「取消」に変更された(旧95条本文、新95条1項)。解説文は、「この場合意思表示が(取消の結果)無効となる余地がないというのは誤りである」とすると正しくなろう。

5) 誤り。任意代理の場合、本人の許諾がある場合かやむを得ない事由がなければ復代理人を選任できないが(104条)、法定代理の場合は自由に選任できる(106条)。前掲山田他167-168頁。

【改正点】法定代理(旧106条)については、新105条で規定されている。

原田尚彦「裁量権収縮論」

 「一 法治行政と行政便宜主義」  行政庁は、公共の安全と秩序を保持する責任を負い、「そのために国民の権利自由に規制を加える権限を有している」。そしてこの権限は、「行政法規の授権するところに従い、法規にそって行使しなければならない」( 法治行政の原則 )。但し、授権がある場合でも...