2020年10月27日火曜日

行政書士試験「連帯債務、連帯保証」(2011-31)【条文知識問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

ア) 正しい。連帯債務については民法436条、連帯保証については457条2項。野村-栗田-池田-永田『民法Ⅲ』第2版補訂(1999年、有斐閣)132、152頁。

【改正点】あり。旧436条については新439条が規定することとなった。

イ) 正しい。連帯債務については437条。一方連帯保証人についての免除は、主たる債務者には影響しないので、本肢のようになる(458条は437条を準用するものの、連帯保証人には負担部分がないので、負担部分の存在を前提とする同条を準用する余地がない)。前掲野村他133、161頁。

【改正点】あり。旧437条は削除された。例えば、AーCは甲に対し900万の「連帯債務」を負っており(負担部分3分の1ずつ)、甲がAに対し債務免除をしたとする。この場合新法では、免除後も甲はBとCに900万円を請求し得るようになった(連帯債務における債務免除は相対的効力しか有しない〔新441条本文。旧437条と比較せよ〕)。なお、「連帯保証」について、問題文の「主たる債務者はその債務の全額について免れることはない」という結論については、変更はない(新458条。連帯債務の場合と同様相対的効力しか有しない)。大村敦志、道垣内弘人編『解説民法(債権法)改正のポイント』(2017年、有斐閣)219ー220頁参照(幡野弘樹執筆)。

ウ) 誤り。連帯債務については、「負担部分について自己の債務を免れることができる」(439条)、のである。連帯保証については正しい説明となっている。この場合も、イ)と同様458条による439条の準用の余地はない。

【改正点】あり。旧439条は削除された。債務免除と同様、連帯債務における消滅時効相対的効力しか有しない(新441条本文)。AーCは甲に対し900万の「連帯債務」を負っており(負担部分3分の1ずつ)、Aにつき時効が成立したとする。この場合でも、甲はBとCに900万円を請求し得るようになった。連帯保証についての説明は正しい(新458条)。前掲大村他221ー22頁(幡野弘樹執筆)

エ) 誤り。連帯債務については正しい(434条)。一方連帯保証人に対する履行の請求は、主たる債務者に対しても効力が及ぶ(458、434条)結果、時効は中断する(147条1号)。

【改正点】あり。旧434条は削除された。新法では、「連帯債務において、債権者が連帯債務者の1人に対してした債務の履行の請求」は、他の債務者に効力が及ばないこととされた(相対的効力。新441条本文〔同条但書注意。新441条本文は任意規定である〕)。前掲大村他215頁以下(幡野弘樹執筆)。また、「連帯保証人に対する履行の請求」についても、主たる債務者に効力が及ばないこととされた(相対的効力新458条〕。つまり主たる債務の時効は中断しない)。前掲大村他257ー258頁(大澤彩執筆)。

オ) 誤り。連帯債務については正しい(442条1項)。一方連帯保証の場合も求償は可能である(465、442条)。

【改正点】なし。

原田尚彦「裁量権収縮論」

 「一 法治行政と行政便宜主義」  行政庁は、公共の安全と秩序を保持する責任を負い、「そのために国民の権利自由に規制を加える権限を有している」。そしてこの権限は、「行政法規の授権するところに従い、法規にそって行使しなければならない」( 法治行政の原則 )。但し、授権がある場合でも...