2021年6月19日土曜日

行政書士試験「時効中断」(2010-28)【判例、条文知識問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

1) 正しい。物上保証人は、担保物権の附従性や396条の趣旨から、債務者の承認により被担保債権について生じた消滅時効中断の効力を否定することができないというのが判例である(最判平成7年3月10日)。山田-河内-安永-松久『民法Ⅰ』第3版補訂(2007年、有斐閣)244頁。

【改正点】あり。旧法下での時効「中断」という言葉が「更新」に改められた。大村敦志、道垣内弘人編『解説民法(債権法)改正のポイント』(2017年、有斐閣)70頁以下(石川博康執筆)。

2) 正しい。最判昭和50年11月21日。前掲山田他241頁。

【改正点】なし。

3) 正しい。292条。

【改正点】あり。1)と同旨。292条新旧条文参照のこと。

4) 誤り。この場合、A-C全員に対し中断をしなければ時効中断の効果は生じない(284条2項)。

【改正点】あり。1)と同旨。284条2項新旧条文参照のこと。

5) 正しい。中断の相対効(148条)である。時効が進行している権利関係の当事者が複数の場合、中断行為に関与した当事者間のみで時効は中断する。前掲山田他244頁。

【改正点】あり。中断という言葉について1)と同旨。また旧148条の内容は新法では153条に規定されている。

2021年6月18日金曜日

行政書士試験「制限能力者制度」(2010-27)【条文知識問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

1) 誤り。「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況」にあり、後見開始の審判を受けた者が、成年被後見人と扱われる(民法8条)。事理弁識能力欠如が常況であることをもって、当然に成年被後見人になるわけではない。

【改正点】なし。

2) 誤り。当該譲渡契約が「日常生活に関する行為」に該当するものであれば、保佐人の同意なくとも被保佐人は、単独で完全かつ有効な法律行為をなし得る(13条1項本文但書、9条但書)。

【改正点】なし。

3) 誤り。第三者による詐欺である。この場合、鑑定人による欺罔行為につきBが悪意であれば、AはBへの譲渡契約を取消し得る(96条2項)。

【改正点】改正前96条2項は、意思表示の相手方が詐欺の事実つき悪意の場合に限り取消し得るとしていたが、新96条2項では相手方が詐欺の事実を「知ることができた」つまり有過失の場合にも取消を認めることになった。大村敦志、道垣内弘人編『解説民法(債権法)改正のポイント』(2017年、有斐閣)24頁(角田美穂子執筆)。

4) 正しい。心裡留保の典型例である(93条本文)。

【改正点】93条本文を93条1項本文にする。

5) 誤り。虚偽表示(94条1項)の事案であるが、虚偽表示の無効を対抗できない「第三者」(94条2項)は、善意、無過失を具備する必要があるという説もあるが(有力説)、通説、判例は条文通り善意のみで足りるとしているので、善意、有過失のCに対しAは虚偽表示の無効を対抗できない。山田-河内-安永-松久『民法Ⅰ』第3版補訂(2007年、有斐閣)126-127頁。

【改正点】なし。

2021年6月16日水曜日

行政書士試験「弁済による代位」(2010-47)【条文知識問題】

民法改正に伴い解説に補足する。

本文については解答の元になる旧501条1号が削除されたため、問題自体が通用しないものになった(本問自体は、試験勉強の必要がないということである)。この改正の結果、保証人が「第三取得者」に対し代位する際の「付記登記」は不要となった。

なお解説では、「連帯保証人が債権者に代位する」ことの根拠条文として旧500条を出しているが、改正の結果、根拠条文は新501条1号となることに注意。

本問については、大村敦志、道垣内弘人編『解説民法(債権法)改正のポイント』(2017年、有斐閣)329頁以下(加毛明執筆)参照。

丸山眞男「日本の思想」

   「思想が対決と蓄積の上に歴史的に構造化され」ず、ある論争が「共有財産となって、次の時代に受け継がれて」ゆかないという伝統が、日本の論争史にはある。論争において、「これだけの問題は解明もしくは整理され」何がそうでないか「けじめがいっこうにはっきりしないままたち消えになってゆく...